外観が完成し、残すは客室内部やコクピット内の作業となる。シートが次々に運ばれては取り付けられていく。コクピット内では、複雑に絡み合う様々な装置もほとんど付いた。大きな五つのディスプレイに色鮮やかに様々な計器が表示される。全て最新のデジタル機器だ。電気や油圧をかけての作動試験も急ピッチで行われる。モーター音や様々な音が唸り、飛行機が“静”から“動”へと変わっていく。
格納庫内での作業が終了し、牽引車に引かれてこの日初めて外へ!昨日までの不順な天気が嘘のよう、この初号機を待っていたかのように青空が広がっている。まぶしく光る太陽の下、初号機の真新しい胴体はピカピカに輝いている。そんな感慨に浸りながらも、燃料の搭載、エンジンの試運転など、作業はまだまだ終わらない。
試験飛行に向けて、屋外エリアで着々と準備が進められる。この屋外エリアには、各国の航空会社に納入予定の機体が並んでおり、実にカラフルである。我々領収検査員の事務所があるビルにも、様々な国の人たちを見かけることができる。彼らと会話を交わすのも、ここでの楽しみのひとつとなっている。
地上での作動試験が終わり、次はいよいよ試験飛行となる。午前10:10、南北を走る滑走路を南へ走り、テイクオフ!\(^o^)/、ジェイ・エア初号機がはじめて空に飛び立った瞬間である。約2時間のフライトの後、午後には撮影のための特別飛行も実施。このフライトの状況を把握して、問題はないか確認するのも、領収検査員の仕事のひとつである。