J-AIR NOW

202301/06 地域の人々の輪による森林再生プロジェクト サステナブルな社会の実現に向けて~今J-AIRにできること~

 こんにちは。J-AIR ESG推進チームです。

 J-AIRの環境に対する取り組みについて皆さまにご紹介いたします。今回取り上げるテーマは「放置竹林」です。
 近年は、国内のタケノコや竹製品の需要量が減少するとともに、生産者の高齢化や担い手不足などで手入れがされず放置される竹林が増加してきました。この放置竹林の拡大は環境にどのような影響をもたらすでしょうか。竹は生育が早いことから、周囲の樹木がタケノコに圧迫され、竹の葉が光を遮ることで弱り、枯れてしまいます。その結果、鳥類や昆虫類の種類が減少し、生物多様性の低下を招きます。また竹の根は浅く、さらに放置された竹林の地下茎が腐食したり枯死すると、山の斜面部では土砂災害の危険があります。
 「生物多様性の維持(里山再生)」や「環境災害の防止(防災)」そして「景観保全」のため、竹林整備が必要不可欠です。

 J-AIRではこのような問題の課題解決のため、京都西山山麓で採れたタケノコを使用した「京タケノコカレー」と京都嵯峨野で栽培された「京都 古今嵯峨米」の機内販売を2022年11月15日より開始しました。*1(在庫がなくなり次第終了となります)
*1 : https://www.jair.co.jp/news/2022/kyototakenoko/

 「京タケノコカレー」は、「里山再生」「防災」「景観保全」を向上させる取り組みから生まれた缶詰です。売上の一部を環境保全活動基金として竹林の搬出・伐採、不要竹チップ化、貴重種調査、地域雇用等に役立てており、京都を訪れる方々に感動していただけるような美しい景観づくりにつなげています。
 また「京都 古今嵯峨米」は、放置竹林対策による間伐整備を行った竹を活用した自然再生の取り組みから生まれたお米です。竹の稈(かん)はチップにして堆肥化させ、枝葉は京都市動物園の象の飼料として提供し、その象の糞を堆肥化させ、それぞれ土壌改良剤として水田に施肥しています。その水田で栽培された「京都 古今嵯峨米」の売上はまた竹林整備の継続に活用されています。
 いずれも地域資源を循環的に活用し、機能的で効果的な有機農法から景観保全や生物多様性の維持につながっており、SDGsの達成に貢献しています。私たちJ-AIRは商品の販売を通してこの活動を応援しています。

 このたびJ-AIRの地上スタッフと客室乗務員が実際に京都 嵯峨野で竹林整備を体験してきましたので、その様子をご紹介いたします。
 京都 嵯峨野は竹林、アカマツ林とともに稲穂がたなびく景観が美しく、歴史的風土特別保存地区にも指定されている全国でも貴重な場所です。訪れた日は快晴で、周囲を囲む山々には色鮮やかな紅葉が見られました。竹林へ一歩足を踏み入れると、そこには見渡す限りの竹が広がり、まるで異空間のようです。竹の涼しげな香りと竹林を吹き抜ける風に心が洗われるような感覚となり、美しく豊かな自然が素晴らしい場所でした。
 体験では、まず荒廃竹林の見学を行いました。差し込む光が少ないため日中でも薄暗く、倒木が見られたりと、どこか重々しい雰囲気です。
 続いて竹林整備を体験しました。はじめに魚眼レンズを装着したデジタルカメラを用い空虚率を調べ、切る竹を選びます。ノコギリを使用して切るのですが、竹は重く、一本切るのにも大変力が必要な作業です。倒れる方向に人がいないよう周囲に声をかけ、注意しながら竹を切り倒し、必要な長さに切るとともに枝葉を払います。この作業を何本も繰り返していきますが、このような地道な活動により自然が守られていると考えると感慨深い気持ちになりました。

 
 今回は、京都 嵯峨野の自然景観の価値と課題を知るとともに、作業体験によりSDGsの達成に向けた取り組みがより身近に感じられた機会でした。

 私たちJ-AIRは京都 嵯峨野の最寄り空港である大阪国際(伊丹)空港を拠点としており、美しい景観保護に協力することで、環境問題の解決、ならびに人流の活性化を通じた魅力ある地域の発展に寄与したいと考えています。今後も商品の販売を通し、地域に密着したサービスを展開するとともに、継続的に環境への取り組み・地域活性化に貢献してまいります。

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