J-AIR NOW

202203/01 森林資源を財産に、サステナブルな社会の実現へ向けて~いまJ-AIRにできること~

こんにちは。J-AIR ESG推進チームです。

さて、皆さまはSDGsの取り組みと聞いて、何を思い浮かべられるでしょうか?CO2削減?プラスチックごみの削減?リサイクル?SDGsと言ってもその目標・手法は多岐にわたります。J-AIRではSDGsの達成に向けた新たなチャレンジとして、「五陵箸木頭朱杉(ごりょうばしきとうあかすぎ)2膳セット」の機内販売を2022年2月10日より開始しました。(在庫がなくなり次第終了となります。)

機内販売品「五陵箸木頭朱杉2膳セット」

今回は、このオリジナル商品の開発に向けて、実際に木頭朱杉の産地である徳島県那賀町へ取材に行きましたので、その様子を皆さまにご紹介します。

那賀町の森林面積は総面積のなんと95%。その言葉どおり、車で走る風景は緑一色。訪れた日は快晴で、美しい山並みやエメラルドグリーンに輝く那賀川などを見ることができました。これほど緑豊かできれいな場所もあるんだと感激しました。まさしく「四国のチベット」と呼ばれるにふさわしい場所。

那賀町

世界的に森林伐採が問題視されるなか、日本の中山間地域では整備されずに放置された人工林が大雨や強風によって崩れ、大きな自然災害を引き起こすことが問題となっています。そこで、地域の大切な人工林(森林資源)を財産として次世代へつなぐため、杉を間伐(森林整備)し生じた間伐材を加工し付加価値をつける。木頭杉の新しい使い方を提案し、さらなるブランド化を図る。そうすることで林業の活性化も図られる。今回の機内販売商品は、その間伐材を使用した特別なお箸です。
一方で、適正な伐採(間伐)は森林を健全化し、栄養のある水を山に蓄え、ゆっくりと川から海へ運びます。CO2の吸収を促すことで地球温暖化を防止し、豊かな生態系を育みます。山を守ることは海や空の環境を守ることにもつながり、私たちの暮らしを安全で豊かにします。航空会社は日々運航することでCO2を排出していますので、CO2吸収を促すという、この森林保全の取り組みを「いま(すぐに)J-AIRにできること」としてサポートしていきたいと考えています。

森林健全化プロセス
木頭杉断面
(中心の変色箇所が朱杉部分)

「せめて、人間が手を入れてきた人工林だけは、必ず最後まで人間が面倒を見なければならない。山の暮らしを守りながら、年々衰退している木頭杉というブランド杉も守ってたくさんの方に知ってもらおう。」この言葉をモットーとして、木頭杉の間伐材をおしゃれな加工品として製造販売されているのが、(今回の機内販売品の開発にご協力いただいた)株式会社Wood Headさまです。

㈱Wood Head 工房

 実際に現地を訪問した客室乗務員もお箸づくりを体験してみました。まず、1本の長い円筒形の棒が用意されます。そこから「五陵箸木頭朱杉」の名に恥じないよう、しっかりと五稜=五角形になるまで、棒を回しながらやすりで削ります。自分の身体をまっすぐに保ち、「1、2、3」という声かけに合わせて3回でやすりを引き切らないと、いびつな形になってしまいます。やすりで削り始める際も、やすりが重いからと言って、お箸の上に強く置いてはいけません。(筆者はバンッと大きな音を立ててやすりを置いてしまいました…)しばらく削って、綺麗な五角形になっているか確認ができたら、最後に艶出しのためにやすりをかけます。五角を軽く削り、箸帯を巻いて、完成!客室乗務員2名は制服姿で、ただただ夢中で五陵箸を製作していました。結果、講師の方から転職を進められる程のでき栄えでした!

さて皆さま、なぜこのお箸が五角形になっているのかご存知でしょうか。五角は「合格」を想起させ非常に縁起がいいものではあります。が、ほかにも理由があります。実は那賀町はいわゆる「平成の大合併」において5つの自治体が合併してできた比較的新しい自治体であり、町を形成する5つの旧町村が手を取り合い共に振興する姿が五角に込められているのです。

箸づくり体験

今回の取材では、その他多くのことを学びました。杉を伐採した跡地には、春に開花すると山が一層華やかになる「ヤマザクラ」を植樹する「山櫻プロジェクト」が進められています。間伐材の利用以外にも陸の豊かさを守るため、町ぐるみでSDGs達成に向けて積極的に取り組んでいらっしゃり、SDGsへの実際の取り組みが間近に感じられた機会でした。那賀町の皆さま、本当にありがとうございました!

個人的に感動したのは、お箸づくりの際に出た木頭杉の削りカス。ちゃっかりいただいて帰り、自宅の靴箱にそっと滑り込ませておきましたが、しばらくすると気になっていた臭いが消えていました…。“素材を余すことなく活用すること”、これもSDGsへの取り組み。皆さまも、小さなことからでも今日から一つ、SDGs達成に向けて取り組んでみませんか?

山櫻プロジェクトにて植樹

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