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ジェイ・エア マガジン
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2013年6月
モックアップのご紹介
今年1月、大阪綜合ビル内に完成しました客室モックアップ(模擬飛行装置)と訓練用スライド装置をご紹介します。
ジェイ・エアでは現在、カナダ製CRJ200型(50人乗り)9機、およびブラジル、エンブラエル社製E170型(76人乗り)12機の2機種、計21機を保有しています。(*) CRJ200は機体後部に2つのエンジン、T-tailと呼ばれる形状の尾翼をもち、機体中央部に主翼上へ出るための左右1つずつの緊急用脱出口があります。一方のE170は最近のトレンドである、双発中小型ジェット機の典型的なスタイルをもっています。
ジェイ・エアのモックアップは運航、客室乗務員の緊急避難訓練、また客室乗務員のサービス訓練用として使用されています。機内の各種仕様はCRJ、E170の2機種をミックスしたユニークなものとなっています。左側の前後および右後方のドアはE170実機を模していますが、CRJの右側前方ドアとOverwing Exit Doorと呼ばれる翼上への非常脱出口も装備しています。
CRJは客室乗務員1名乗務で、操縦室を出てすぐの位置に客室乗務員用にジャンプシートとよばれる折りたたみ椅子を装備しています。モックアップでは実際のCRJ機から取り下ろしたものをパーツとして購入、同じ位置に設置しました。一方のE170は通常2名乗務ですが、ジャンプシートは前方左1か所、後方2か所の計3か所にあり、モックアップでも実機と同じ様にそれぞれの位置に装着しました。こちらはエアバスA320型機のものを流用しました。
E170のジャンプシートとほぼ同じサイズ、機構を持っていますが、4点式のシートベルトなどがE170のものと若干異なり、「違いの分かる」キャビンクルーには簡単にばれてしまいます。また、お客様用の座席はボーイング777、通称レインボー・セブンのものを流用しました。 酸素マスクも一部の客室座席頭上に設けたほか、ギャレイと呼ばれる「水屋」(古いですか?)、ハットラック(頭上の荷物入れ)も装備しています。
最近の航空機は軽量化と難燃性維持のため特殊な部材を使用していますが、 ジェイ・エアのモックアップは木工手作りの部分が多くなっています。前述のギャレイやハットラックも木製です。日本の大工さんの職人芸を感じさせる出来栄えです。(何しろ消防法上は家具の扱いです…。) 実機の客室ドアはよくご覧になると、空中で不用意に開くことのないよう金属製であり、複雑な構造と動きをします。一方、モックアップに装着しているドアの基本部材は木製です。ドア本体は福岡の木工所で、内部のロック機構は東京の鉄工所で作られ、別個に陸送されて大阪で組み立てられました。
遠隔操作可能な煙の発生装置もあります。前後の化粧室、機内中央部など、どこからでも煙発生可能です。石油ファンヒータで有名な某国内メーカーが製造し、煙はエチレン・グリコールを熱して気化、噴霧させる仕組みです。そのため火災訓練が始まると緊迫した機内の空気に反して、あたりは「あま〜い香り」に包まれます。
地上から客室床までの地上高が約1.8メートルを超える機体には非常時の緊急避難用にスライド(滑り台)の装備が義務付けられています。E170は床までの高さが約2.6メートル(サッカーで使用するゴールの高さがほぼこれに相当します)ありますので、モックアップの隣には訓練用スライド装置も設置してあります。
スライドは海外のエアラインで実際に使用していたものを取り下ろし、シンガポールにおいて訓練用機材への改修作業がほどこされ、空輸されたものを設置しました。
大工さん、電気屋さん、クロス屋さん、鉄工所、ペンキ屋さんが短い工期に総力を結集し、実際に使用されている航空機に限りなく近く再現してくださいました。
モックアップはジェイ・エアの22番目の機体です。これが大空を飛ぶことはありませんが、今日もまた“飛ぶことを夢見て”入社してきた新人訓練生を乗せて、機内で日夜厳しい訓練がおこなわれています。

*2013年度中にE170新造機3機を導入予定
 
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